正しい楷書を書くための接筆の原則と例外

店と医の字 正しい楷書体を書くには「後に書く画は、先に書く画の始筆または終筆の一部が出るようにつける」という
接筆法(字を構成する線や点の接し方)の理解が必要と書いてきました。<左図青丸>

ネット上でいろいろ探してみましたが、原則についてはありましたが、例外については見つけられませんでした。

そこで私が持っている資料をお出しします。





書写も配慮した教科書を 手本となる文字も必要

図の青丸は原則通りのケース、赤丸は例外のケースです。

この見出しで1986年ころ読売新聞のコラムに並木 裕氏(元鎌倉市立今泉小学校長 当時)が寄せたものです。

抜粋をとってありましたので、それをもとに原則、例外について書いていきます

並木氏は当時の小学校の教科書に印刷用の明朝体やゴシック体を使うことは、書写の基礎、基本の学習から見て疑問とし、
これらの文字には、筆順と接筆の関係や接筆と折れとの違いなど手書きの文化遺産を学習する立場より、読みが優先されて
いるとの問題点を指摘している。

そこで期待される教科書体でしたが筆順と接筆の面でまだまだ完成されているとはいえない状況を指摘している。

まだまだ筆順に関係なくすべての縦画の始筆や終筆を出すなど、教科書体の印刷文字(明朝体)化であり、
この教科書体の印刷文字化をデザインの違いとして放任してはいけないと主張しています。



そして児童に指導する接筆の原則と例外

正しい楷書体を書くには「後に書く画は、先に書く画の始筆または終筆の一部が出るようにつける」

ただし口ヨ(世)コ山子の仲間は、後に書く画が出るようにする。(最初の口は食べる口です)

口ヨ(世)コは横画、山子は縦画がでる特例です。これらは運筆の流れから見れば必然です。<下図赤丸>

口ヨ子山子





口と口の仲間に含まれるのは横長の口の上下とも縦画が貫いているもの(中、悪など)で、<下図赤丸>

口ヨ子山子





縦画が中に入っているもの(買、勉など)や、上だけしか交わってないもの(西、要など)は除きます。<下図青丸>

口ヨ子山子





ヨの仲間とは二画が一画の縦部分と交わったもの(書など)と世の仲間(度など)です。

口ヨ子山子





コの仲間は縦画が途中に入ったもの(肥など)、縦画と交わっているもの(弟、費など)、縦画や左払いについたもの(官、臣、民、戸)
です。

口ヨ子山子





山の仲間は出や画、子の仲間は近や承などです。

口ヨ子山子





最後に氏は児童への指導について、評価は柔軟が大切だが、指導は明確な内容でできるよう、書き文字の学習も配慮した教科書体に
そろえるべきと結んでいます。

私の使用している教科書体を検証してみましたが、氏の指摘した部分は全部とまではいきませんが改善されているようです。